日本、水上艦電子戦システムSLQ-32(V)6生産費3545万ドルを対外有償軍事援助資金で負担 米戦争部はカナダ分と一括し7429万ドルの契約変更

ワシントン
日本は米国の対外有償軍事援助(FMS)制度を通じ、水上艦用電子戦システムAN/SLQ-32(V)6の生産費用として3,544万8,507ドルを支払う。米Department of War(戦争部)は10月14日(米国時間)の契約発表で、この金額が契約締結時に日本負担分として割り当てられたと発表した。Department of Warは、ロッキード・マーティン・ロータリー・アンド・ミッション・システムズ(ニューヨーク州リバプール)に対し、7,429万4,440ドルの確定固定価格契約変更を発注し、契約日は10月9日であると明らかにした。この契約は、カナダ政府(52%)、日本(47%)、米沿岸警備隊(1%)の調達を統合したものである。
Department of War、ロッキード・マーティンに7,429万4,440ドルの確定固定価格契約変更を発注
Department of Warは、ロッキード・マーティン・ロータリー・アンド・ミッション・システムズが、既存の契約N00024-20-C-5503の確定固定価格契約変更(modification)に基づき、水上艦電子戦改善計画(Surface Electronic Warfare Improvement Program、SEWIP)のAN/SLQ-32(V)6システムを生産すると発表した。本契約の発注機関はワシントンD.C.の海軍海上システム司令部(NAVSEA)である。
作業はニューヨーク州リバプール(78%)およびペンシルベニア州ランズデール(22%)で実施され、2029年9月に完了する予定である。Department of Warは、総額のうちカナダ負担分の3,838万8,165ドル(52%)および日本負担分の3,544万8,507ドル(47%)を2026会計年度のFMS資金から、沿岸警備隊負担分の45万7,768ドル(1%)を2025会計年度の調達・建設・改善資金から契約締結時に義務付けたと発表した。これら3つの金額の合計は、契約変更額である7,429万4,440ドルに一致する。これらの資金は現会計年度末で失効しないとDepartment of Warは明らかにした。
カナダと日本の負担分を合わせたFMS資金は7,383万6,672ドルに達し、契約変更額の大半を占めている。
SLQ-32(V)6は対艦ミサイル防衛のために電子信号を探知するシステム
米海軍によると、SEWIPはSLQ-32(V)電子戦システムを段階的に改良する事業である。海軍のファクトファイル(2021年9月20日更新)によると、2016年時点で同システムは世界中で6つの派生型にわたり234基が配備されていた。米海軍艦艇に126基、沿岸警備隊艦艇に17基が搭載され、12カ国への対外有償軍事援助による移転が91基であった。
海軍はブロック1、ブロック2、ブロック3をいずれも調達カテゴリー(ACAT)II事業に分類している。海軍は、SEWIPブロック2(Block 2)がSLQ-32の電子支援(ES)能力を強化する段階であると説明した。アップグレードされたESアンテナや受信機、オープン型戦闘システムインターフェースが組み込まれており、脅威に対抗し、探知能力と精度を高めるために不可欠であると海軍は述べた。SEWIPブロック2は2016年9月にフルレート生産に入った。海軍は、ブロック1(Block 1)が対艦ミサイル防衛、対ターゲティング、対監視能力を向上させるとともに製造中止部品の問題を軽減する改良であり、ブロック3(Block 3)はSLQ-32のアクティブ型派生型を運用するすべての水上戦闘艦に共通の電子攻撃(EA)能力を付与する改良であると明らかにした。ブロック3は海軍研究局(ONR)の統合上部構造(InTop)科学技術プログラムから得られた技術を活用しており、海軍はこの段階をエンジニアリング・製造開発段階に分類している。ブロック4は電気光学・赤外線能力を追加する将来的な計画である。海軍によると、SEWIPは高度統合電子戦システム(AIEWS)が中止されたのを受け、2002年7月に漸進的調達プログラムとして発足した。
国防総省はこの通知の中で、同システムが向上した電子支援の探知・精度能力によって対艦ミサイル防衛、対ターゲティング、対監視、状況認識を強化し、電子戦センサーの航跡情報をイージス戦闘システムに提供すると明らかにした。この通知は、日本政府に対してイージス武器システム2基、AN/SPQ-9B水平線捜索レーダー2基とともに、主要防衛装備品としてAN/SLQ-32(V)6電子戦システム2基を追加する内容である。
日本政府はイージスシステム2基にSLQ-32(V)6を2基追加する通知の対象であった
国防総省は連邦官報(89 FR 101576)に2024年12月に本通知を掲載した。議会への報告日は2023年12月14日である。国防総省は、航法センサーインターフェースをGPSベースの位置・航法・調時サービス(GPNTS)に置き換える別個の通知も2019年9月12日に議会へ提出していたと明らかにした。今回の通知は、2019年1月29日に議会へ報告されたイージス武器システム2基、マルチミッション信号処理装置2基、垂直発射システム(VLS)モジュールエンクロージャー6基の建設サービスなどの売却(総推定事業費21億5,000万ドル、うち主要防衛装備品3億7,500万ドル)に品目を追加するものであり、追加品目の総推定価値は5億7,000万ドルである。国防総省は、このうち主要防衛装備品の純増額が2億3,900万ドル、非主要品目の純増額が3億3,100万ドルであると明らかにした。案件全体の総額は27億2,000万ドルに増加し、主要防衛装備品の総額は6億1,400万ドルになると国防総省は述べた。
追加品目には、共同交戦能力(CEC)AN/USG-10が3基、多機能情報伝達システム(MIDS)艦載端末2基、指揮統制プロセッサー技術更新システム1基、AN/SQQ-89水中音響システム、曳航式マルチアレイソナー、衛星通信端末が含まれている。国防総省は、今回の売却に含まれる防衛装備品およびサービスの最高機密区分は機密(SECRET)であると発表した。
国防総省の技術機微に関する説明によると、AN/SPQ-9Bはクラッター(不要電波反射)の多い環境下でレーダー反射断面積が小さい目標を探知・追尾し、追尾データをイージス戦闘システムに送信する水平線捜索レーダーであり、そのうちレーダー処理装置は戦闘システムに接続された時点で「機密」に分類される。共同交戦能力AN/USG-10は、艦上および艦外のセンサーからの追尾データを融合し、CEC能力を備えた他のプラットフォームに配信する。AN/SQQ-89は日本のあたご型およびまや型護衛艦が運用する対潜戦システムであり、船体・艦首装備アレイ、曳航式TB-37アレイ、ソノブイからの能動・受動音響データを統合すると国防総省は説明した。
国防総省は、この売却が強力で効果的な自衛能力の開発および維持において日本を支援するものであると表明した。国防総省は、この売却がアジア太平洋地域における政治的安定と経済発展の原動力である主要な同盟国の安全保障を強化することによって、米国の外交政策上の目標および国家安全保障上の目標を後押しするものであると明らかにした。
出典(KST)
- 米国Department of War、「Contracts for Oct. 14, 2026」(海軍項目、2026年10月14日):https://www.war.gov/News/Contracts/Contract/Article/4625668/contracts-for-oct-14-2026/
- 米国海軍、「Surface Electronic Warfare Improvement Program (SEWIP)」ファクトファイル(2021年9月20日更新):https://www.navy.mil/Resources/Fact-Files/Display-FactFiles/Article/2167559/surface-electronic-warfare-improvement-program-sewip/
- 米国国防総省 国防安全保障協力局(DSCA)、「Arms Sales Notification」(連邦官報 89 FR 101576、2024年12月16日掲載、官報文書番号 2024-29495):https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2024-12-16/html/2024-29495.htm