技術流出の7割が中国向けなのに…李在明政権の6大対策に「中国」も「スパイ」もなし

ソウル
韓国の国家情報院が摘発した産業技術の海外流出が、過去5年間で107件に上る。技術警察を置く知的財産処のキム・ヨンフン知的財産保護協力局長は今年2月、海外への技術流出が起きた国の「70%がおおよそ中国」だと述べた。それにもかかわらず、李在明政権の産業通商部が19日に打ち出した技術流出対応の6大課題には、中国という国名も、国政監査で求められたスパイ罪の適用基準も盛り込まれなかった。産業通商部はこの日午前10時、ソウルの韓国貿易保険公社大会議室で金正官長官の主宰により第76回産業技術保護委員会を開き、この課題を確定した。政府は課題を「産業技術保護法」と「国家先端戦略産業法」の改正案に盛り込んで10月中に発議し、年内に「第6次産業技術保護総合計画」に反映する計画だ。
政府の対策にもかかわらず5年連続で毎年20件前後が流出
産業通商部が公表した国家情報院の摘発件数は、2021年22件、2022年20件、2023年23件、2024年23件、2025年19件。産業通商部は報道資料で「これまでの政府の技術流出防止の努力にもかかわらず、半導体、ディスプレーなどわが国の先端産業を巡る技術流出の危険は依然として続いている」と明らかにした。
処罰強化を盛り込んだ産業技術保護法改正案は2024年12月27日に国会本会議を通過した。この改正により、国家核心技術の海外流出の罰金上限は15億ウォンから65億ウォンに、懲罰的損害賠償の限度は損害額の3倍から5倍に引き上げられた。海外流出犯罪の構成要件は目的犯から故意犯に変わり、流出を紹介・あっせん・誘引するブローカーも処罰できるようになった。改正案が国会を通過した翌年の2025年の摘発件数は19件だった。
同じ日の2024年12月27日に貿易保険公社11階大会議室で鄭仁教通商交渉本部長の主宰により開かれた第58回委員会は、第5次産業技術保護総合計画(案)と国家核心技術の輸出承認案件5件を審議した。政府は当時、裁判所の管轄集中の対象に産業技術流出犯罪を加え、裁判の専門性を高めるとも明らかにした。この会議の冒頭発言でも「今年11月までに摘発された産業技術の海外流出件数は21件で、流出の傾向が続いており」との警告が出ていた。政府は今回、第6次総合計画を「年内発表を目標に1年前倒しで準備中」だと明らかにした。第5次計画を打ち出してから2年で新たな計画を再び策定することになる。
委員会は産業技術保護法第7条に基づいて設置された審議機関で、産業通商部長官が委員長を務める。この日の会議には科学技術情報通信部、法務部、中小ベンチャー企業部、知的財産処、国家情報院など15省庁の次官級委員と民間委員10人が出席した。産業通商部は警察庁、重大犯罪捜査庁、公訴庁、防衛事業庁の関係者も招き、「汎政府協力体制」を稼働させたと明らかにした。
流出の7割が中国向けなのに対策文書には国名なし
知的財産処のキム・ヨンフン知的財産保護協力局長は2月12日の二次電池技術流出事件のブリーフィングで、「海外への技術流出が主に起きた国は、70%がおおよそ中国です」と述べた。この事件の流出先の国を問う質問に、キム局長は協力会社の国籍を直接明かさず、70%の統計を挙げて「そうした観点から見れば、われわれと競争力を持っている中国だと特定できるでしょう」と語った。
この事件では、国内の二次電池大手企業の海外協力会社の役職員である外国人のA氏が、被害企業の部長級研究員B氏を通じて全固体電池の開発情報と負極材の開発・評価情報を持ち出した。流出は2019年11月から2025年4月まで5年以上続いた。資料の送信が7回、ビデオ会議が8回、訪問コンサルティングが7回あった。B氏はその見返りに現金2億ウォン以上を受け取った。知的財産処の技術警察は今年1月にA氏を逮捕した。二次電池分野で外国人が逮捕された初の事例だ。
産業通商部は今回の発表で流出件数を年度別にだけ公表し、国別の内訳は示さなかった。6大課題は脅威を「国家安全保障及び国内産業の競争力」の毀損とだけ表現し、特定の国に言及しなかった。
国政監査が求めたスパイ罪の適用基準は課題から消える
今回の対策は、6日の産業通商部への国政監査での指摘に対する答えとして出された。産業通商部が7日に出した参考資料によると、国政監査では技術保護の人員・予算の拡充と特別司法警察権限の導入、国家情報院・警察庁との流出統計の総合管理、技術流出犯罪にスパイ罪を適用する判断基準の策定、裁判過程での産業技術確認の義務化が求められた。
産業通商部は国政監査翌日の7日、まず4大政策方向を打ち出した。中小企業・大学のセキュリティー能力強化、不法収益の還収拡大、裁判での処罰回避の防止、汎政府対応の強化だ。金長官は当時「わが産業の競争力と国家安全保障を脅かす技術流出に対し、より厳正に対応する必要があるという国政監査の指摘に共感する」と述べた。産業通商部は同じ資料でスパイ罪の判断基準策定を国政監査の指摘事項として記したが、4大政策方向にも、12日後に出された6大課題にも、これに対する対策はなかった。6大課題に盛り込まれたのは特別司法警察の導入と情報共有、裁判過程での産業技術の確認だ。
適用すべき法規定は既に施行されている。国会は2月26日に刑法改正案を可決し、政府は3月12日に法律第21450号として公布した。新設された第98条の2(外国等のためのスパイ)は、「外国またはこれに準ずる団体」の指令や教唆を受けて国家機密を探知・収集・漏洩・伝達・仲介したり、これをほう助したりした者を「3年以上の有期懲役」に処する。9月13日から施行された。敵国のためのスパイを処罰する第98条第1項は「死刑、無期または7年以上の懲役」をそのまま残し、第102条は「大韓民国に敵対する外国等は敵国とみなす」と規定した。今回の委員会は新規定の施行から1カ月余りで開かれたが、産業通商部の報道資料には技術流出事件にこの規定をどう適用するかについての内容がない。
同じ日、台湾高等検察署は中国側から金を受け取って軍事機密を渡したとして、元軍人ら4人を起訴した。検察は敵に軍事機密を漏洩した者を死刑または無期懲役に処する陸海空軍刑法第20条第2項を起訴状に盛り込み、4人全員に重い刑を言い渡すよう裁判所に求めた。検察が明らかにした被告別の不法所得を合計すると182万9403台湾ドルになる。被告のうち2人は犯行当時現役軍人で、1人は公務員だった。中国側が送った対価は退役軍人名義の暗号資産ウォレットに入った後、店頭の両替業者を経て現金に換えられ、さらに元軍人と公務員の銀行口座に入金された。台湾の国家安全法第2条は、漏洩・探知を禁じる相手として「大陸地区」を明記している。
実刑6.2%の甘い処罰に政府は「公論化」を約束するだけ
クォン・ヒャンヨプ議員ら18人が2024年8月に提出した産業技術保護法改正案の提案理由によると、2017~2021年の産業技術保護法違反の一審有罪判決のうち、実刑は6.2%だった。無罪と執行猶予が74.1%を占めた。チョン・ヨヌク議員ら16人も同月、実際の宣告刑が軽いとして法定刑を引き上げる改正案を提出した。高東真議員ら20人が提出した改正案をはじめとする関連法案は、同年12月に委員会代案としてまとめて処理された。
政府は6つ目の課題として「大法院の量刑基準の引き上げと罰金の量刑基準新設の必要性を公論化し、実質的な処罰水準を高める」と明らかにした。量刑基準は大法院(最高裁)量刑委員会が定める。政府は量刑基準をいつまでにどの水準に引き上げるよう提案するかは明らかにしなかった。政府はまた、裁判過程で裁判所が産業通商部に当該技術が産業技術かどうかを確認できるようにし、流出犯が処罰を免れないようにするとした。
4つ目の課題は経済的制裁だ。政府は犯罪収益の没収・追徴の対象を広げ、損害賠償額に少なくとも被害企業の技術開発費用を含めると明らかにした。産業通商部は7日の参考資料で、裁判所が専門機関に損害額の鑑定を委ねられるようにする案も示した。政府はこれにより「技術流出の意図を根源から遮断する」とした。罰金上限を65億ウォンに、懲罰的賠償の限度を5倍に引き上げる改正案が国会を通過した翌年も、摘発件数は19件だった。
中核人材の転職対策は「基本権」の但し書き付きで検討段階にとどまる
産業通商部は国政監査の指摘を紹介する際、半導体の中核人材の海外転職を真っ先に挙げた。政府は3つ目の課題でこの問題を扱う際、「職業選択の自由など憲法上の基本権侵害の余地を最小化する範囲で、関係省庁と制度改善策を模索する」との但し書きをまず付けた。
政府は企業が現場懇談会で要望した事項を基にインセンティブを設け、企業が中核人材の転職の有無を確認できるよう情報を提供する案を検討することにした。どのような情報を誰に提供するのか、インセンティブの規模がどれほどかは明らかにしなかった。
2月の二次電池事件でも、技術は被害企業の部長級研究員を経て海外協力会社に渡った。容疑者らには不正競争防止法と国家先端戦略産業法、産業技術保護法の違反と背任贈財の容疑が適用された。スパイ容疑は適用されなかった。知的財産処は「今回の事件を通じて、全固体電池の核心情報が完全に渡ってしまう最悪の事態は防ぐことができました」とし、核心技術が渡っていれば「その被害規模は予測できないほど」だっただろうと明らかにした。
技術警察が既にあるのに産業通商部が特別司法警察をまた新設
5つ目の課題は、産業通商部に技術流出の特別司法警察権限を与えることだ。特別司法警察は、行政公務員が特定分野の犯罪に限って警察のように捜査する制度だ。
技術保護分野では、知的財産処の技術デザイン特別司法警察課が既に技術警察として活動している。2月の二次電池事件もこの組織が検察と共に捜査した。技術警察は、昨年7月に逮捕・起訴した事件とこの事件で、国内の二次電池企業2社の核心技術の流出を防いだと明らかにした。国家情報院と警察庁も技術流出事件を扱う。産業通商部は別途、汎政府技術流出合同対応団と産業技術保護政策協議会を運営してきた。
産業通商部は新たな特別司法警察の人員や予算、既存の技術警察との役割分担を明らかにしなかった。国政監査では技術保護の人員と予算を増やすよう求める声が出たが、今回の発表には人員・予算の計画がなかった。19日の課題に盛り込まれたのは「機関間の情報共有の活性化」だ。産業通商部は7日の参考資料で、情報・捜査機関に被害規模や流出手口の資料を要請する根拠を設け、国家情報院・警察庁・法務部などとの情報共有を活性化すると明らかにした。
同じ会議で国家核心技術の輸出承認案が対象非公開のまま上程
この日の会議の案件は3件だった。「産業技術の海外流出現況及び対応方向」と「国家核心技術の輸出審査簡素化の実績」が報告され、「国家核心技術の輸出承認(案)」が議決案件として上程された。産業通商部は、どの企業のどの技術が輸出承認の対象なのか、審査簡素化が何件だったのかを公表しなかった。会議は午前10時から11時までの1時間の日程で組まれた。
2年前の第58回委員会は、輸出承認案件5件を半導体2件、二次電池2件、自動車・鉄道1件と分野別に公表した。当時の冒頭発言には「過度な技術保護の負担は緩和して」競争力を強化すべきだとの内容も盛り込まれていた。
1つ目の課題は、海外法人の売却・撤退と、外国人が国内法人を通じて行う合併・買収(M&A)にまで政府の審査対象を広げることだ。同じ趣旨の法案は2年前に既に国会に提出されていた。キム・ソンウォン議員ら10人が2024年8月に提出した改正案は、承認や申告なしに国家核心技術を輸出したり海外M&Aを進めたりすれば、長官が直ちに中止を命じ、従わなければ履行強制金を科すとした。国家核心技術の保有確認制と保有機関登録制の導入、技術安保センターの指定根拠の整備も併せて提案した。産業通商部は、昨年以降の産業技術保護法改正で国家核心技術保有の職権判定制を導入したと明らかにした。
国家核心技術のリストは毎年見直されている。産業通商部は2024年7月、発電用ガスタービンの水素燃焼の設計・製造技術や高速鉄道車両の車体の設計・解析・製造技術など4件を新たに指定し、原発の受動補助給水系統の技術など3件を解除して、国家核心技術を75件から76件に増やした。同じ改正で、半導体・電気電子・自動車・鉄道・造船など8分野24技術の範囲を細分化・具体化した。2025年10月には積層セラミックコンデンサー(MLCC)の製造、亜鉛製錬、合成開口レーダー(SAR)関連の技術3件を新たに指定した。半導体・造船・情報通信など6分野15技術の範囲と表現を変更し、造船分野の高付加価値船舶技術の範囲から超大型コンテナ船を外した。産業通商部は、保護の必要性が低下した技術は引き続き解除する方針だ。
長官は「一罰百戒」を繰り返し、改正案は10月の発議を控える
金正官長官は会議で「技術流出は、国家と企業が長い時間と莫大な費用をかけて蓄積した産業競争力を一瞬で崩し、国家安全保障まで脅かす重大な問題であるだけに、決して軽く扱うことはできない」と述べた。さらに「政府は今後、法改正案の発議、総合計画の発表などを滞りなく履行し、国家の産業技術を必ず守り抜く」と語った。
金長官は国政監査直後の7日にも「流出犯に対しては一罰百戒で臨み、流出の試み自体を根源から遮断する」と述べた。2年前にも政府は罰金と賠償の限度を引き上げ、同じ目標を掲げた。
中小企業と大学の技術流出を防ぐ2つ目の課題も、具体的な規模なしに発表された。政府は実態調査の回数と内容を増やし、改善措置を履行しない企業に措置命令を出せるようにし、セキュリティーが脆弱な協力会社の脆弱性診断と国家核心技術の研究開発(R&D)課題のセキュリティー管理を強化すると明らかにした。7日の資料では、中小企業・大学のセキュリティー設備の構築とコンサルティング支援を増やし、人工知能(AI)の活用や海外進出といった新たな脅威に対する企業点検を強化するとした。支援対象の企業数と予算は、両資料とも示さなかった。
政府は6大課題を盛り込んだ産業技術保護法・国家先端戦略産業法の改正案を10月中に国会に提出する計画だ。
出典(KST)
- 産業通商部 報道資料 · 2026-10-19 10:00(報道解禁時点、10-16配布) · 기술유출 사각지대 없애고 일벌백계로 엄정 대응 · https://www.motir.go.kr/kor/article/ATCL3f49a5a8c/172301/view
- 産業通商部 報道資料(政策ブリーフィング掲載版) · 2026-10-19 · 기술유출 사각지대 없애고 일벌백계로 엄정 대응 · https://www.korea.kr/briefing/pressReleaseView.do?newsId=156785628
- 産業通商部 参考資料 · 2026-10-07 · (참고자료) 산업부, 국감 지적에서 답 찾는다... 산업기술 유출 방지에 총력 · https://www.motir.go.kr/kor/article/ATCL3f49a5a8c/172268/view
- 知的財産処 ブリーフィング · 2026-02-12 · 기술유출사건 관련 브리핑 · https://www.korea.kr/briefing/policyBriefingView.do?newsId=156744454
- 産業通商部 報道資料 · 2025-10-01 · 「국가핵심기술 지정 등에 관한 고시」 개정안 시행 · https://www.motir.go.kr/kor/article/ATCL3f49a5a8c/171053/view
- 産業通商資源部 報道資料 · 2024-12-27 14:00 · 국가핵심기술 유출 방지 벽 높인다! · https://www.motir.go.kr/attach/down/095a2dda9c864e1d90d751f7668a1117/f7357be9d185abecc60270ea4422ee56/9a9db098b587ee18b321c826f3707a49
- 産業通商資源部 報道資料 · 2024-07-04 · 국가핵심기술 31개 대폭 정비 · https://www.motir.go.kr/kor/article/ATCL3f49a5a8c/169281/view
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- 國家安全法 第2条(2022-06-08公布改正版) · 台湾法務部 全国法規資料庫 · https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=A0030028